靴売り場などで「革は伸びるから、初めのうちはキツくても大丈夫ですよ」と言われたこと、ありませんか。もはや都市伝説のようになっていますが、実際はどれくらい伸びるものなんでしょう? よくよく考えてみると「本当はぴったりの状態が望ましいけれど、初めはキツくても大丈夫」なのか、むしろ「初めはキツいくらいがちょうどいいのか」がわからず、非常に曖昧な言い方です。
そこで今回、日本のシューフィッターの第一人者である印南淳さん監修のもと、靴の素材としてよく使われている革の伸び方について、情報をまとめました。正しい知識をしっかり身につけて、より自分に合う靴を選べるようになっていきたいですね。
シューフィッター曰く、「伸びるのは幅だけで、長さは伸びません」
まず前提として、靴を履いていて伸びるのは幅だけで、長さは伸びないそうです。(もし長さが伸びたと感じる場合は、変形しているだけとお考えください)。また、かたい革より、やわらかい革のほうが伸びやすい傾向にありますが、加工の仕方やデザインによって伸び具合は変わってきます。
よって、「本当はぴったりの状態が望ましいけれど、【幅は多少】キツくても大丈夫」というのが正解です。
靴選びの1POINTアドバイス
◆ かたい革(牛、馬)
あまり伸びませんので、伸びることを前提にするのではなく、できるだけぴったりの靴を履くようにしてください。
◆ やわらかい革(羊、山羊、豚)
幅は多少伸びやすいですが、伸びることを前提にするのではなく、できるだけぴったりの靴を履くようにしてください。
◆ 合皮
そもそも本革でなく合成皮革のため、伸びません。
ちなみに、素材別・靴のメンテナンス方法はこちら(https://www.shoe-tree.net/column/maintenance/)でお伝えしていますので、合わせてご覧ください。