足の形そのものが変わる!?「外反母趾」とは
「靴は、最初は少々痛いもの」
「靴は伸びるから、しばらく我慢して履いて過ごせば、そのうち慣れる」
といったことが通説のように言われていますが、“いつまで経っても痛くてキツイ靴” というのもありますよね。そしてどんなに痛くても、「履くとキレイに見えるから」とか「色と形が好きだから」などと自分に言い聞かせ、1日の終わりにはシップやバンソウコウを貼る……といった涙ぐましい努力を続けた結果、「外反母趾(がいはんぼし)になってしまい、非常に後悔している」という女性が後を絶たないのをご存知ですか。
外反母趾とは、先細で窮屈な履物を履いたときに親指が小指側に曲がり、いつの間にか親指の付け根が突出してしまう病態のことです。つま先を圧迫するハイヒールなどを無理して履き続けたりすると、親指が大きく曲がって人差し指に乗ってしまい、悪化すると親指の関節が脱臼して、足の形そのものが変わってしまうのです。
「外反母趾」は遺伝する可能性も・・・・・・
痛いのはもちろん、歩くときに親指で蹴って前に出ることができないので、歩行も思うようにできなくなってしまいます。「今は大丈夫」でも足は徐々に変形していき、その後、ヒールのない靴やスニーカー、指を包み込まないサンダルを履こうとしても、“痛くて履けない。長時間歩き続けることができない” という事態に陥る方が少なくありません。
足に負荷がかかる靴を無理して履いていると、足ばかりか腰や頭まで痛くなるのも問題で、かつ外反母趾は“完治することはなく、悪化させるのを止めるしかできない” と言われています。また、遺伝することもあるので、もはや自分だけの問題にとどまらないのです。
靴は、あくまでも足を守る道具です。
ファッション性を重視するあまり、体を痛めるようなことがないように、足の健康と靴選びの正しい方法を本サイトで知っていただきたいと願っています。
次回は、そんな足と靴に関する専門知識を持った靴合わせの専門家「シューフィッター」について解説します。